アライアンスは、本来、企業間の資本提携や市場開発を主目的とするものでありましたが、さらには、運行便の共同共有化をすすめるようになりました。今や、便名(コード)を共有(シェア)する、 コードシェアリング(共同運航)も一般的となってきました。日航とアメリカン航空の世界最大の106線、週1500便や、全日空とユナイテッド航空83路線で週1470便等が代表格です。
路線が同じであれば、互いに乗客を振り分けしたりします。例えば、日航でUSA まで飛ぶ時、USAのローカルはアメリカン航空に乗り継いでいくことが、一枚のチケットでできるようになりました。また、日航だと思って乗り込むとアメリカン航空だったりすることもよくあることです。
今や世界のほとんどの航空会社は同盟や共同運航で結ばれています。そして、この連帯を可能にしているのは、ほかならぬ、 CRSなのです。
そして、 CRSの機能をまとめると、次のようになります。
1) 世界の航空機のフライトスケジュール、運賃情報の提供。
2) 世界の航空機の運賃変更、改訂を各国の通貨に換算して通知。
3) 最適の乗り継ぎ便の選択
4) 季節変動による価格設定、競争価格の設定、各種格安チケットの販売と収益管理
5) 包括契約のためのホテル、レンタカー予約、観光地情報の提供
このように、複雑な情報管理を瞬時にやってのけるのがCRSであり、このCRSを制するものは航空ビジネスを
制するといわれる程に、主要航空各社は自社を主軸とするメガシステムの構築にしのぎを削ってます。
このCRSは米国で発展し、その代表格がアメリカン航空です。そのサーバーの規模は、まさしくメガCRSで
その概要は次のようになります。
1)業務範囲
航空券の予約、発券サービスのみならずホテル、レンターカーの予約、劇場コンサートの予約、切符の手配、パッケージツアー情報
2)規模
(1)開発費・・・・・・・・・・・・・・・・・約10億ドル
(2)関連会社・・・・・・・・・・・・・・・650社
(3)スケジュール表示・・・・・・・350社分
(4)座席予約・・・・・・・・・・・・・・・300社分
(5)フライトスケジュール期間・・195,000区間
(6)運賃その他条件表示・・・・・世界で300万区間
(7)レンタカー・・・・・・・・・・・・・・・20社分
(8)ホテル予約・・・・・・・・・・・・・150社、12,500軒
(9)端末機台数・・・・・・・・・・・・・世界57ヶ国、88,000台
(長谷川通 著 国際航空運賃の経済学より)
3)CRSの威力
CRSの威力をまとめると、膨大な情報を瞬時にコントロールし、各フライト毎の収益管理を行い、また、収益を最大にする旅券販売をおこなる事といえる。 |