動脈では上述のように、心臓ポンプの作用により、常に加圧側にあり、
心臓を出るとすぐに、大動脈に入り、更に細かく分散し、細動脈をとおり、毛細血管に流れていきます。毛細血管は動脈側と静脈側に繋がっています。動脈側では、回りの組織液が
血液から酸素や栄養分を抜き取り、筋肉にエネルギーを補給します。そして、静脈側にくると組織液は、筋肉でできた排出物や二酸化炭素を血液に吸収させます。血管と回りの組織液との微妙な浸透圧の差により、このような透過作用がおこるようです。常に負圧となる静脈側では
血液は集められ、小静脈に入り、さらに集められて、大静脈に入り
心臓に戻っていきます。
心臓に戻ってきた静脈流は肺動脈を通って、肺の毛細血管に送られます。肺の毛細血管では、炭酸ガスと酸素の交換が行われたり、老廃物のろ過も行われます。炭酸ガスは肺に集められて、息となって、外部に放出されます。
メモ:
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心臓は安静時、約60回拍動し、一分間に約5リットルもの
血液を、一分間で体内を循環させます
* 体内を流れる血液量:男性・・・>体重の約8%、女性・・・>体重の約7%
(体重50Kgの人は男性4リットル、女性3.5リットル)
*
血液の流速=下方向大動脈(直径2cm、3リットル/分として):約16m/秒、大静脈:約5m/秒
* 脈拍=
動脈にはあるが、
静脈にはない。
*
血液の比重=男性;1.052~1.06、女性;1.049~1.056
* 血管の長さ=約10万km
* 採血、献血=
静脈から
* 大動脈の太さ=500円玉
* 世界初の同血液の輸血は1818年ロンドンにて。
* 血液型ABOの発見年=1900年
4)心臓の構造心臓の構造は右図のように示されます。
心臓には上側に左右の心房が、下側に左右の心室が配置された4部屋構造となっています。
この心房、心室が交互に伸縮、拡張を繰り返し、血液循環を行います。心房は
血液の流入部屋であり、心室は本来のポンプ室といえます。
心房が拡張する時、右の心房には大静脈(炭酸ガス、老廃物含む)から、左の心房には肺静脈(酸素豊富)からの
血液が流入します。心房が収縮すると同時に心室が拡張し、右の心室には右心房の静脈血が、左の心室には左の心房から、肺静脈血が入ります。次に心室が収縮する(心房は拡張)と右心室の静脈血は肺動脈に、左心室の肺静脈血は全身の
動脈に送り出されます。
心臓はこのように、伸縮、拡張を繰り返し、
動脈を通じて、休むことなく
血液を送り続けています。